静岡浅間神社祭礼囃子保存会 静岡勇会

団体

お祭りと言えば祭囃子。

『ぴ~ひゃらぴ~ひゃら』

『どんどんひゃらら』

『てれつくてれつく』

『こんちきちん』

遠くで笛や太鼓の音が聴こえてくると、なんだかソワソワ、ワクワクしてくるのは日本人だからでしょうか?

今回、そのお囃子でお祭りを盛り上げる静岡浅間神社祭礼囃子保存会静岡勇会の漆畑史郎会長、永田健二さんにお話を伺ってきました。

キーワードは浅間神社とお祭りです。

静岡勇会とは?

静岡勇会さんは昭和三年の発足から2022年で94年になる由緒ある団体です。

浅間神社の例大祭である廿日会祭では、山車の上でお囃子、面踊りを披露しています。

また、新年の奉納の際には獅子舞を行っています。

静岡勇会さんは祭囃子と獅子舞を保存、継承し、ここ静岡のお祭りや行事を盛り上げてくれている団体さんなのです。

静岡まつりで観たことあるでしょう?あれをやってる方々です!

お祭りが明るい音色でより一層楽しい気持ちになるのは、静岡勇会さんのおかげだったんです!

お囃子って何

そもそもお囃子とはお祭りで使う音楽のことです。

通常笛や太鼓を用いて演奏されます。お祭りで使う音楽ということで祭囃子とも言われますね。

祭囃子といっても地域によって曲の内容も楽器構成も異なるってご存知でしたか?

それぞれのお祭り毎に特色や違いがあるんです!!

これは面白いですよね!!

江戸の情緒が漂う粋なお囃子

静岡に江戸のお囃子文化が残っているのも『徳川家』の影響によるところが大きいです。

というか、駿府の繁栄と徳川家は切っても切り離すことができません。

ところで、江戸時代の駿府がどれだけすごい都市だったかみなさんご存知ですか?

江戸の人口が14万人といわれた江戸時代初期に駿府の人口は12万人。

駿府は江戸と並ぶ大都市で、政治でも外交でも事実上、日本の首都として外国から注目されるほどの都市だったんですよ!

単純にこの場所を愛していたからか、政治的な意味があったかはわかりませんが、幕府の最重要人物である初代徳川将軍家康公、そして最後の15代将軍慶喜公がわざわざ駿府に移り住んだという歴史の事実からも納得できることだと思います。

徳川家と共に駿府にやってきた御用職人たちによって、江戸のお囃子や木遣り、その他の文化も持ち込まれたわけです。

慶喜公は、浅間さんの目の前(今の西草深公園)にずっと住んでいたわけですから、静岡のお囃子をきっとその耳にしていたことでしょう。

静岡勇会さんのお囃子が粋な洗練された情緒を感じるのは、本場江戸前のお囃子が色濃く反映されているからなんですね。

静岡勇会さんのお囃子は太鼓2人、笛、大太鼓、鉦の5人編成が基本になって、山車に乗り込み、練り歩いた地域をお祭り色に染めていくのです。

お祭りで静岡勇会さんに出会えたら、静岡勇会さんのお囃子、どんな音色なのかよーく聞いてみてくださいね!

おみこしと山車の違いってわかる?

ところでみなさん、おみこしと山車の違いってわかります?

おみこしはかつぎ棒がついていて人がかつぐものであり、神様の乗り物です。漢字ではお神輿と書くことから何となく意味はわかりますよね。いつも神社の中にいる神様がお祭りの時は神社の外に出で、地域の災い、厄、穢れを清め、豊作、大漁といった幸福を恵んでくれます。

一方、山車は台車に乗っていて人が網を引っ張るものになります。

山車と書いて『だし』と呼びます。

おみこしと同じように神様が宿るものとする所もありますが、神様が乗るものではなく、人が乗って太鼓をたたいたり踊ったりして神様のお供や先導をする役目のものとして登場する所もあります。

ちなみに静岡勇会さんでは、巡行前にしっかりとお祓いを受け大麻(御霊、神様)を乗せています。

つまり、静岡まつりでは『神様が乗っているタイプの山車』がまわってくるんです!

神様と一緒になってワイワイ、ガヤガヤ、大騒ぎして、盛り上がる、そういうお祭りなんです!

その場にいて、お囃子を聴いて、山車を観ているだけでも神様のご利益にあずかれるわけなんです!

老若男女楽しめるエンターテイメント!面踊りって何?

次は面踊りについて説明しましょう。

もともと、江戸時代の茶番狂言がルーツになっているようです。

茶番狂言は目蔓(めかずら)というお面をつけて、身振り手振りでおどけたユーモラスな滑稽な寸劇をするものです。これが祭りの文化とともに、街頭パフォーマンスとして日本中に爆発的にぶわっと広がりました。

お祭りの余興、楽しみとして面踊りが広がったんですね。

今でもお祭りに行けば、子ども向けにキャラクターのお面売ってますよね?

あれは、もともとお祭り=面踊りの名残なんですね。

面踊りでは、般若、おかめ&ひょっとこ、笑い面、怒り面などお面をつけた演者さんたちが登場してきます。

お囃子や謡のリズムに合わせて、歩いたり、止まったり、動いたり、踊ったり。

そして、その滑稽な動きや仕草が観衆の笑いをさらいます。

また、演者さんは勝手気ままな自由人なので客席にもズカズカと乱入してきます。

客席にいる子供たちは笑ったり、こわがったり、逃げたり、演者さんに近付いたりと、ハラハラドキドキ、大盛り上がりです。

大人である私たちも、絡みたい気持ちと絡まれたくない気持ちが交錯します。

今も昔も観衆にウケるものはそんなに変わらないのかも知れませんね。

面踊りとは、言葉を使わず、身振り手振りで滑稽さを表現し、演者と観客でつくりあげる究極のエンターテイメントなんです!

お祭り男、お祭り女いらっしゃい!

お囃子・面踊り・獅子舞で私たちを楽しませてくれる静岡勇会さんですが、実はもう一つ重要な役割を担っています。

それは、この独自の芸能文化を守り、後世に継承していくことです。

お爺ちゃん、お父さんから引き継いだ郷土の伝統文化を、子どもや孫に繋げていく活動をしています。

世代を越えて、大事に大事に守ってきたお囃子の文化です。

一人でも多くの人がこの文化を知ってもらい、興味を持ってもらうことがスタートです。

お祭り以外でも、市内のこども園、小学校まで駆けつけて、披露してくれます。

『ぜひ、うちにも来て欲しい!』という方はお声かけ下さい!

また、一緒に祭りを盛り上げたい、祭にどっぷり漬かりたい!という根っからのお祭り男、お祭り女の方も大歓迎です。

参加したい方は、ぜひ来てください。

時代がうつり変わっても、変わらないでいてほしいものがあります。

静岡勇会さんの活動を応援して、共に静岡の芸能文化を守り、盛り上げていきましょう。

静岡浅間神社祭礼囃子保存会 静岡勇会

問い合わせ 054-254-3741 会長 漆畑史郎

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