白憙久さんは静岡市葵区一番町にある和菓子、洋菓子屋さんです。
和菓子、洋菓子の白憙久さんですが、実は近年大ヒットしている商品があるのです!
番町地域だけでなく、静岡市内からこれを求めてたくさんの人がやってきます!
白憙久さんの大ヒット商品とは何か?大ヒット商品が生まれた経緯?を知るべく店主の長塚敏弘さんにお話を伺ってきました。
一番町に大ヒット商品現る!?
突然ですが質問です。
2021年7月現在、ここ一番町で爆発的に売れている商品があります。
さて、それは何でしょうか?
答えは『御霊膳』です!
御霊膳とは何ぞや?という声が聞こえてきましたので説明します。
ご霊膳とはお盆のお供えのことでご先祖が食べるご飯です。
静岡では7月13日~7月16日がお盆になり、年に一度ご先祖様がお家に帰ってきます。
盆飾りもしなければなりませんし、初盆の場合色んな方が来客されますので大忙しです。
そんな中、ご先祖様の料理である御霊膳まで自分で作って用意するのは至難の業です。
お盆を迎える方の苦労を少しでも取り除いてあげたいという思いのもとこのサービスが始まりました。
確かにこういう商品が欲しかった!
目の付け所が違います!
緻密に練られた御霊膳
御霊膳とはいえ、何をご先祖様に用意すればいいのかわかります?
適当にお供えすればいいというわけではないんですよ!
まず、ご先祖様、朝昼晩とちゃんとご飯をお召し上がりになります。
私たちと同じように三食ちゃんと食べるんですよ。
お盆の期間だけで9食きちんと召し上がりますので、1食ずつこれを自分で用意するって大変なことですよね。
宗教、宗派、しきたり等はおのおのありますが、基本的にどんなものにも十分対応できるセットが御霊膳として販売されています。
13日 迎え団子(落着団子)
14日 (朝)御飯 あつめ汁(七種汁)
(昼)おはぎ 漬物(たくあん・茄子)
(夜)御飯 瓜もみ
15日 (朝)御飯 すまし汁(八杯豆腐)
(昼)そうめん 漬物(キャベツ)
(晩)御飯 茄子の味噌和え
16日 (朝)御飯 お煮しめ(かぼちゃ煮)
送り団子
お盆のお供え『御霊膳』大ヒット!
御霊膳は8年前からスタートし、今ではお盆の時期だけで200セット売れる超人気商品になりました。
ですので、7月のお盆の時期の白憙久さんは大忙し!
7月10日のインタビュー中にも次から次へとお客さんがやってきます。
20分という短い間に5組のお客様が来店し、2本の予約電話があったほど!
この大忙しの時期に空気を読まずに取材に応じていただきありがとうございました!
みなさん!お盆のお供えは御霊膳をご利用ください!
商売人の鑑!!1人1人のお客さんを覚えている女将さん!!
また、驚いたことがもうひとつ。
それはお将さんの商売に対する姿勢。
こんなやりとりが店先では行われていました。
お客さん 『予約していた鈴木太郎です』
女将さん 『鈴木さんと言えば、今回8回目のご利用ですね。毎年ありがとうございます。
清水からわざわざありがとうございます。』
サラリとおっしゃってましたが、これってスゴくないですか?
お客様の名前、どこに住んでいるのか、何回目の利用なのかをちゃんと覚えている!
これはお客さんも嬉しいですよね!
1人1人のお客さんをちゃんと覚えて、大事にする姿勢!
だから、長い間お客様に親しまれ、愛されるんだなと感動しました。
創業71年!?創業当時は和菓子とパンの人気店だった!!
さて、ここからはどうして御霊膳ができたのか、白憙久さん創業から現在までの歴史を紐解きながら解説していきましょう。
白憙久さんは昭和25年に創業し、今年で71年になります。
先代が戦前に焼津白憙久で修業し、戦後にのれん分け和菓子店として創業しました。
和菓子をやりながらパンの販売もしており、当時の大人気商品が蒸しパン。
戦後、作れば売れちゃうパンとしてものすごく売れたようです。
スーパーやコンビニがない時代。
戦後のものがない時代に白憙久さんのパンは番町の人は楽しみしていたんでしょうね。
和菓子も洋菓子もできる二代目はお菓子のプロフェッショナル!!
今の店主の長塚敏弘さんは二代目です。
東京の洋菓子店で修業をしました。
天皇皇后両陛下が訪れるような由緒正しき洋菓子店でマドレーヌやデコレーションケーキ、シュークリーム、プリンといった洋菓子を学びました。
ケーキをこの地域に持ち込んだ先駆者であり、当時バタークリームのケーキが飛ぶように売れたようです。
その当時はケーキも珍しかったでしょうね。
先代から学んだ和菓子の技術と東京で学んだ洋菓子の技術!
だから、しらぎくさんは和菓子も洋菓子もできるというわけなんですね!
お弁当屋さんを開店しちゃうパワフルな女将さん
また、女将さんは『おまかせ弁当しらぎく』を安西茶町通りにて出店し、平成元年から平成5年にかけて切り盛りしていたほどのパワフルなお母さん。
妻として、母として、忙しい中にも関わらず、お店に立ち、経営してきたスゴイ行動力の持ち主です。
家族の支えがあったからできたとおっしゃっていましたが、働くお母さんの先駆け的な存在です。
茶町通りのお昼時の賑わいやお客さんとの触れ合いが楽しかったと嬉しそうにおっしゃっていました。
建物の建て直しを機に閉店したわけですが、新聞記事に掲載されたり、その当時はとても流行のお店として繁盛しました。
女将さんの特集記事を組みたいくらいです!
今の子育て世代のお母さんには勇気が出るお話がいっぱい聞けそうです!
御霊膳の誕生
そして8年前、安西の利照堂仏具店さんから打診があり始められました。
先代の和菓子、二代目の洋菓子、女将さんの和食のノウハウが繋がり、生まれたのが御霊膳なんです。
これまでやってきたこと、しらぎくさんの歴史が全部この御霊膳には詰まってるんです!
また最近では、趣味でやっていた手芸の技術を活かし、手作りのお盆飾りも販売しています。
一番町だと組長を一年頑張るとご褒美に白憙久さんのお菓子が食べられるっす!
これ、一番町あるあるっす!
御霊膳がこんなに大ヒットしてるなんて知らなかったな~
今度のお盆は白憙久さんにお願いしよっと!